テストで測ることができること その1

大学入試センターの荘島准教授のお話をうかがう機会があったので,天王寺へ行ってきました.

荘島先生は,教育心理学者で,潜在ランク理論という,コトバ的には難しそうなことの研究をされてきた方です.

最近,世間を騒がせている入試制度改革の1つに,センター試験の改革(高等学校基礎学力テスト・仮称)がありますが,これに先生が研究してきた理論を使うかどうかについて議論がされていますね.

 

今日は,

「例えばセンター試験の英語で,200点満点中,120点のA君と122点のBさんがいたとして,この2人の学力差をきちんと表すことができるのか?」

ということから広げて,テストで測ることができることについて,お話してくださいました.

(このことに疑問を持たれてから,研究を始められたそうです)

 

確かにそうで,私は,学力差が「ある」とも「ない」とも言い切れないというのが肌感覚からは分かります.

実際,いつもできる子がそうでない子に模擬試験や入試でやられる,なんてこと,ごく普通に見てきていますからね.

 選択肢問題では,あてずっぽうが当たる・当たらない,もあります.

 

そのような,学力の「誤差」は,センター試験の英語で約10%出るのだそうです.

テストの信頼度が90%ですね.

ちなみに,他の科目はだいぶ低いということ…

そして,センター英語は,この信頼度の高さで世界的に優秀なテストだそうです.

でも,このような,テストの信頼度を測る研究なんてことが行われているのですね~.

 

そういうわけで,先のA君とBさんの話は,200点×10%=20点 の誤差があると考えると,「どちらが学力が上かはわからない」と言えそうです.

 

さて,荘島先生は,どうやって誤差のあるテストで正確に学力を測ろうとしているのでしょうか?

 

(続きはその2で…)